先日、娘と会話をしていた時、イベントがある前日が楽しみだということを言っていたので、日付を間違えているんじゃないかと思って、なんでその日が楽しみなのか聞いてみたところ、理由が、次の日〇〇の日だから、という回答が返ってきて、なるほど、確かに楽しみしていることの前の日って楽しいよな、と思い、娘に一本取られたような気持ちになった。
なにか自分の楽しみなことがあったときに、そのイベントをポイントで捉えるか、それまでの過程を踏まえた線として捉えるかというような違いなのかなと思ったけれど、こどもはそんな理屈っぽいことをごちゃごちゃと考えているわけもなく、娘が感覚的に、イベントそのものだけではなく、そのイベントを待っているときの気持ちを含めて楽しみだという感じ方をしていることに、感心した。
この考え方は、楽しみ方を自分の中で増幅させる価値観として、とても大切で幸福度が上がる素晴らしい考え方だと思う。
こういった考え方を使って幸福度や満足度を高める方法は、昔からあったんだと思うが、これまでにどんなものがあったかどうか、少し調べてみたところ、アドベントカレンダー(クリスマスまでの日を1日ずつ開けて楽しむ暦。待つ時間そのものを楽しみにする仕掛け)というものがあった。
これは、まさに、イベントまでの間も楽しみを”意識して感じる”ための装置(仕組み)で、正直、自分はこんなものがなくても、「クリスマスまでもう少しだ!」と楽しめるタイプなのでこんなものいるのかなと思ったけど、こどものために役に立つことをしたい、企画したいと思う立場でものを考えていると、この考え方をベースにイベント主催という観点で考えると色々と学びがありそうだと気づいた。
イベント主催において、この考え方をベースに考えられるポイントとしてぱっと浮かぶものは2つ。
1.イベントの強度が低い場合、主催者側が意識的にイベントの過程を楽しめる仕掛けを用意しなければ、イベント参加者は自分からイベントまでの過程を楽しもうとせず、その結果自分の評判を落としかねない。→信用を毀損するリスクがある
2.イベントまでの過程を楽しめる設計にすると、主催者側は、マネタイズポイントをイベントよりも前に持ってくることができる
2については、そのままで、イベント当日だけでなく、過程も楽しめるようにチケット販売を工夫したり、当日までにスタンプ的に溜めた何かをもって当日イベントに参加できるようにするなどの施策を打つことで、イベント当日にお金をもらうだけでなく、イベントの前からお金をいただくことができるようになる、という意味である。
なので、今回は1について話す。
1について、そもそも楽しみというのを最大限享受するためには、イベントがもつ楽しみ+その楽しみを拡張できる価値観(今回で言えば、イベントまでの間も楽しもうとする心意気)が必要になる。
この価値観は誰もが自然と持っているわけではないだろうが、特性として、イベントが持つ楽しみには限度があるが、後者の価値観で得られる楽しみには創意工夫次第で限界がないという特性がある。
であれば、イベントを主催する側は、みんながイベントに向かう道中を楽しめるようにイベントを設計すれば、イベント自体の満足度もあがるのだから、そうするに越したことはない。
じゃあ、どんなイベントであれば、参加者は自らイベントまでの過程を楽しんでくれて、どんなイベントであれば、自分の意志では過程を楽しんでくれないのだろうか。
私の感覚としては、イベントの強度が強い場合は参加者は勝手に自らイベントまでの過程を楽しんでくれる。
イベントの強度とはイコール、イベントに対する楽しみの大きさのこと。
先の娘の例で言えば、この日(イベントをする日)は、仲の良い県外に住む友達の女の子が家に遊びに来てくれる日だ。
この日は、”娘にとって”本当に楽しみな日で、この日が来るまでの残日数をカレンダーで毎日数えている。
つまり、クリスマスのアドベントカレンダーのようなものがなくても、自発的に自分で待つ時間そのものを楽しみにする仕掛けを作り出している。
しかし、イベントの強度が弱い場合、例えば、誘われたから行くとか、なんとなくチラシが入っていて当日時間があるから行くくらいのイベントであれば、当然、ここにはそのイベントが心から楽しみだという熱量がそもそもない。
だから、参加者はもちろん、自分の意志では過程を楽しんでくれない。
つまり、自分の意志でイベントまでの過程を楽しんでくれるかどうかは、イベントの強度次第、ということになる。
これはイベントに参加する立場では当たり前のことで何ら問題はないが、イベント主催者側にとっては不都合なことが多い。
なぜなら、イベントに勝手に来ておいて、勝手につまらなかったという印象を持たれる危険度が高いからだ。
一回きりのイベントであれば問題ないかもしれないが、イベントを何回もする人にとってこれはマイナスでしかない。
つまり、なんとなくでイベントに来た人がつまらないという印象をもってその評判が広まった場合、自分が主催するイベントへの信用が下がり、継続してイベントを打つことが難しくなってしまう。
別に身内が来ればそれでいいという程度であれば、問題ないかもしれないが、不特定多数を呼ぶイベントにおいては、主催者の信頼は集客数に直結してくる。
じゃあ、どうすればいいか?
一つの答えとしては、私はフリーで誰でも参加可能なイベントであっても、事前の告知などの段階で、来るお客さんを間引いて、ふるいにかけること。
具体的に言うと、極力、そのイベントに本当に興味がある人しか来ないイベントにする、ということだ。
そして、興味を持ってきてくれるお客さんには、そのイベントがあるまでの過程を楽しんでもらえるように工夫をして、当日を迎えてもらえるように主催者側が仕掛けを作ってサポートする。
よくよく考えると、楽しめないイベントに参加するお客さんもある意味不幸である。
時間をかけて参加したのに楽しめないのなら、時間の無駄だし、内容的に楽しめないとわかっていたら最初から来なかったのにとなる。
そういう意味で、主催者は、イベント当日に関して注力するのではなく、イベントまでの過程まで視野を広げて、力の入れどころを見極める必要がある。
広告をするのであれば、「皆来てね!」的な内容ではなく、「こういう人は来ないでね!」と言ったほうが本当の意味で親切だし、当日そのイベントで得られる期待値が実際に得られた満足度と乖離しないように広告の段階から期待値をコントロールしておかないといけない。
どんなに良いイベントでも期待より楽しめなかったら、つまらないイベント扱いになってしまう。
少し話がそれたのでまとめると、イベント主催において、押さえておかなければならないものは次の通り。
・自主開催のようなイベントの場合、イベント強度が低い可能性が高いので、必ず、イベント当日までの過程を楽しめる仕掛けを設ける
・イベント当日だけではなく、イベント当日までの告知などで、イベントにマッチするお客さんとそうでないお客さんをふるいにかけておく
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